マツダ本社宇品工場の敷地内に併設された見学施設「マツダミュージアム」は全面リニューアルされ5月23日に一般公開が始まりました。マツダの歴史や車づくりに関する企業博物館で、懐かしい名車やエンジンなどの実物を展示、また実際の組み立て工場を間近で見学できます
マツダスタジアムが33個分入る広大な敷地内は送迎バスで移動します。新しくリニューアルされたマツダミュージアムは黒を基調としたモノトーンの配色でシックな感じになっています。館内は 10の展示ゾーン から構成されています。マツダミュージアムの見学は完全予約制のため、前もって申し込みが必要です。人気の見学ツアーのようでこの日は、キャンセルがでたため参加できました(無料です)
マツダの最新のクルマを展示しているエントランスホール。展示されている車には試乗でき、休憩できるスペースやここでしか販売されていないグッズもあるショップが併設されています。なんといっても一番人気は入り口近くにあるマツダロードスター
ロードスターの座席の皮で作られたカード入れ&キーホルダー
2Fは「過去へのトンネル」をイメージした通路を抜けるとマツダが自動車分野に進出して最初に造った三輪トラックが展示している ゾーン1 (1920~1959)。もの造りの原点である会場
マツダが生産した第一号は1931年に開発した純国産の三輪トラックです。創業者の名字から「マツダ号」と命名されました。これは1935年発売のTCS型の三輪トラックで当時は自前の販売網がなかったため三菱商事に販売をしてもらっていたのでタンクにはスリーダイヤの三菱マークがついています
戦後の復興を想い、復興に必要な物資を運ぶための三輪トラックの生産を再開しようとして生産された1949年のGB型三輪トラックで、戦前のGA型をモデルチェンジし、新開発の700ccエンジンが搭載されています。自動車分野進出の契機となった三輪トラックはいまでは懐かし乗り物です
ゾーン2,3,5,6 は、1960年初めて四輪自動車を発売してから各時代を代表する車をマツダの歴史とともに紹介する会場で、歴代の名車がずらーっと並んでいます。自動車市場に新たな一頁を刻む一台となった2ローターのロータリーエンジンを搭載した「コスモスポーツ」。ガイドさんの説明によると今でも約400台ほど走っているそうです
4輪乗用車にに参入し大ヒットとなった1960年発売の「R360クーペ」
1991年発売の「アンフィニRX‐7」。RX‐7としては3代目でマツダを代表する本格スポーツカーです
ゾーン4 は企業と技術の威信をかけた世界への挑戦。1991年、第5回ルマン24時間レースでロータリーエンジンを搭載した「マツダ87B」が日本車として史上初の総合優勝。マツダの象徴ともいえるロータリーエンジンで世界のライバルと戦ったチャレンジ精神が受け継がれ続けています
ゾーン7 は「CX-5」「アテンザ」「NDロードスター」など現在走っているモデル群が展示されています
人を第一に考えるマツダのモノ造りを紹介するのは ゾーン8 。衝突させて安全性を確かめたり、塗装技術や洗練されたデザインを追求し、車が動き出す一瞬の美しさや強さをデザインした車造リの技術を紹介。マツダの「赤」は「ソウルレッド」と呼ばれ鮮やかな赤と深みのある陰影感で人気が高く、開発に5年の歳月が費やされたそうです
この車は粘土で造られたクレイモデル。製作しながらデザイナーとクレイモデラーを中心に何度もディスカッションを重ねてデザインが造られていくそうです
マツダは2020年で創業100周年を迎えました。次なる100年の歴史を築いていくビジョンを示すコンセプト車の展示をしているのは ゾーン10 。「ソウルレッド」が美しく滑るような曲線美の素晴らしい車です。ゾーンごとに照明などに変化があり、躍動感あふれる美しい車を沢山見ることができ楽しい体験ができました (2022年6月22日)