映画「ドライブマイカー」 ロケ地を巡る! 

第94回アカデミ-賞で国際長編映画賞を受賞した「ドライブマイカー」は村上春樹さんの短編小説が原作で広島市中区の平和記念公園や広島国際会議場、呉市の大崎下島にある御手洗地区など、大半が広島県内で撮影されています。身近に感じられる広島市内の見慣れた風景のロケ地を探しに出かけました(映画はまだ見てはないのですが、新聞やインターネットよりの情報をもとに廻ってみました)

あらすじ

舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と幸せな日々を送っていましたが音は、ある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなかでそれまで目を背けていたあることに気づかされていく・・・・

広島市中区にある文化活動目的に使用される複合施設、 JMSアステールプラザ では家福が手掛ける演劇のリハーサルやオーディションのシーンが撮影されています


広島国際会議場 は国際交流の推進と市民文化の向上を図ることを目的として平和記念公園内に建てられました。映画では家福が演出を手掛ける広島国際演劇祭の会場として登場しました


演劇祭に出演する役者陣と野外稽古をするシーンが撮影された 広島平和記念公園

おりずるタワー は2016年にオープンした広島の新たな観光名所。地上14階建ての高さ51.5メートルの屋上展望台からは広島市中心部が一望できます。原爆ドームの近くにあります

真っ赤なサーブが駆け抜けた緑あふれる公園道路・ 平和大通り

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専属ドライバーのみさきがお気に入りの場所として案内したのが広島市南吉島のごみ焼却施設 広島中工場 。ゴミ処理場とは思えないガラス張りの外観は近代的な建築で現代アートのようです。2Fは、工場の中央を通ってデッキまで行けるようになっています。(ここまでは自由に行き来ができます)デッキの正面に見えるのは物流倉庫やコンテナターミナルがある「出島」エリア。前もって予約をしておけば無料で工場内を案内して頂けるそうです

ゴミはずっと燃やされているのに煙の色が見えない煙突。エコロジーをコンセプトに作られたごみ処理施設で県外からも多くの方が見学に来られるとのことです


中工場のデッキを降りるとある 吉島釣り公園 。重要な映画のシーンが撮影されています。東側には広島高速3号線が見えます


地上23階の建物は、客室すべての部屋からそれぞれに趣の違った瀬戸内海の景色を眺められる グランドプリンスホテル広島 の最上階にあるラウンジで、亡き妻の秘密を握る俳優・高槻と語り合うシーンが撮影されています

撮影時にいただいた監督や出演者のサイン色紙などを展示しています

広島のロケ地で多く登場した「橋」のある風景。太田川など川が多い広島市内には、川に架かる沢山の橋があります。市内の橋や瀬戸内海に架かるいくつもの橋が作品に登場しているようです。路面電車が走る広島市中心部にある橋・ 相生橋 も撮影に使われています


宇品大橋 は、広島高速3号線の宇品~仁保間の内港に架かる全長550mの橋で桁橋としては日本最長だそうです

家福が宿泊した御手洗地区 へは、広島県呉市の本土と下蒲刈島を結ぶ安芸灘とびしま海道を通ります。安芸灘とびしま海道の玄関口となっている吊り橋・ 安芸灘大橋 は橋長1175mの美しい橋です(2020年3月撮影)

下蒲刈と上蒲刈島を結ぶ蒲刈大橋を渡り、上蒲刈島と豊島を結ぶ豊島大橋を通過し4つ目の豊島から大崎下島を結ぶ 豊浜大橋 を通り御手洗地区へ。平羅橋、中の瀬戸大橋、岡村大島と続き愛媛県今治市まで繋がります。庭園を渡る飛び石のようであることからとびしま海道と名付けられました


瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の港町・ 御手洗 (みたらい)。美しい瀬戸内の景色が広がり、江戸から明治、大正昭和初期までに建てられた貴重な建物が多く残り、1994年に重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。タイムスリップしたような懐かしい風景に出会えます (2022年4月11日)