見たらいい町・ 御手洗 を散策

広島県呉市の江戸時代の港町「御手洗」は瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の港町で、瀬戸内海のほぼ中央に位置し江戸時代の中継貿易港として栄え、江戸時代そのままの風景が残っており平成6年重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。清涼飲料水オランジーナJR西日本の「おとなび」のCMなどに登場!映画のロケ地としても人気で昔懐かしい風景に出会えます


呉ICから1時間ちょっとのところにある大崎下島の御手洗へは 安芸灘大橋 を渡って下蒲刈島へ蒲刈大橋を渡り上蒲刈島へ、豊島大橋を通リ豊島へ。豊島から豊浜大橋を渡って大崎下島へと4つの橋を渡ります。最初の安芸灘大橋は平成12年に開通した本土と下蒲刈島を結ぶ橋長1175mのライトブルーの吊り橋で有料道路になっています。橋を渡ってすぐに安芸灘とびしま海道の玄関口として訪れる人を出迎えてくれる 「白崎園」 があり、2柱のモニュメントと瀬戸の絶景を堪能できます

蒲刈大橋 本土から8つの橋でつなぐ「安芸灘とびしま海道」のうちのひとつで下蒲刈島と上蒲刈島を結ぶ道路橋で橋長480m、全幅8m

豊島大橋 上蒲刈島と豊島を結ぶ橋長908メートルの吊橋。広島県の県鳥でもある「アビ」にちなんで「アビ橋」とも言われている美しく繊細な橋です

豊浜大橋 豊島と大崎下島を繋ぐ長さ543m、幅9m、高さ23.5mの橋

右から、大崎下島と平羅島を結ぶ橋長98.5mの 平羅橋 。平羅島と中ノ島を繋ぐ道路橋 中の瀬戸大橋 中ノ島と愛媛県今治市の岡村島を繋ぐ 岡村大橋 。7つの橋で繋がる島々が飛び石のように見えることからこれらを総称して 「安芸灘とびしま海道」 といわれています


やっと豊町御手洗地区に到着!最初は御手洗地区の重要伝統的建造物群保存地区の選定にあわせて、地区を見下ろせる高台に設けられた 歴史の見える丘公園 へ行きました。遠くは愛媛県の来島海峡や島を結ぶ橋も見渡せる絶景スポットです

御手洗地区のマップ。大小の商家、茶屋、船宿、住宅、神社、寺院などが小路に立ち並ぶ小さな漁村で..狭い町だけど見どころがギュっと詰まってます

  • 御手洗休憩所 地区の見どころなどを案内してくれます

  • 御手洗天満宮 菅原道真が立ち寄ったといわれる天満宮

天満宮の境内には「菅公の碑」社殿裏には御手洗という地名のいわれにもなった菅原道真公ゆかりの井戸があり、この水で書初めをすると字がうまくなると言われています。平安時代、菅原道真が太宰府へ流される途中この地で手を洗ったことから「御手洗」と名付けられたそうです

菅公の井戸のすぐわきにある可能門。これは本殿の下が潜れるようになっていて、願いをこめながらくぐると、それが叶うと言われていています。境内には桜の名所でもあります

旧金子家住宅 金子氏は町年寄・庄屋役を勤めた有力者で幕末に、倒幕のための御手洗 条約が結ばれた場所

  • 若胡子屋跡 江戸時代には広島藩から免許をもらった御茶屋。御手洗で最大規模の町屋でした

  • 新光時計店 明治時代創業の時計屋。レトロ調の赤時計の看板が時計店の目印です

平野理髪店 以前、清涼飲料水オランジーナのCMで登場した街角で青い洋館の建物が目を引きます。その脇の道路は常盤町通リで江戸時代に建てられた本瓦葺きの町家が軒を連ねる御手洗のメインストリート

民家の軒下には一輪挿しの花が飾られ、歴史ある町並に風情を添えています。白い壁と茶色の板塀のコントラストが美しい常磐通りです

潮街ち館 常盤町通りの中ほどにあり、お土産やオリジナル雑貨などを販売!奥はカフェで鍋焼きうどんや喫茶ニューが楽しめます

御手洗昭和館 駄菓子屋玩具ミュージアム。昭和の時代の駄菓子屋や玩具などが並べられ、子ども時代にタイムスリットできる懐かしい店(有料)

乙女座跡 当時の御手洗町長が町民の文化向上に貢献するためにと、私財を投じて建てた劇場で、昭和12年に建てられ30年代まで映画館として使われ いました(有料)

越智醫院 大正時代に建造された洋館で、 建造後も外観は改装され数年前まで1階は診療所として使われていましたが今は空き家になっています

恵比寿神社 鳥居が海に向かってたち県道を超えたその前に小さな本殿があります。本殿と鳥居が県道で分断されている奇妙神社です。御手洗で最も古い社

  • 大東寺 「登光寺」と「隆法寺」という。2つの浄土真宗の寺院が合併し寺名を東光寺に改めたそうです

  • 七卿落遺跡 文久3年の政変で失脚した尊王攘夷派の公卿7人が長州藩へ落ち延びた時、泊まったとされる屋敷跡

満舟寺 真言宗の寺院で,、 豊臣秀吉が四国を征伐した際に、加藤清正が築いたとされる「乱れ築き」と呼ばれる巨大な石垣があります。石垣は戦国時代の城跡で寺院を取り囲むように築かれ見応え充分で圧巻です

満舟寺前には 「足長小学生」 という名の通学路の標識が建っています。学校は廃校になってしまいましたが、小学生は今日も元気に走っています

高燈籠と千砂子波止 御手洗のシンボルでもある石造りの高灯籠で、高さは6.18mで当時の繁栄ぶりを現代に伝えています。石の太鼓橋の先には住吉神社があります

  • 住吉神社 広島藩の建設した千砂子波止(大防波堤)が完成した翌年に、波止の鎮守社として建立されました 

  • 雁木 船着き場の階段状のもので江戸時代の雁木が今も残っています 

江戸時代後期に芸州藩が築いた防波堤、千砂子波止の先端で灯台の役目をはたしてきた白い高灯籠。映画「ももへの手紙」の作品の舞台となった場所の1つ


船宿カフェ若長 江戸時代に建造された「船宿」を改装したお座敷カフェです。江戸時代は、宇和島藩・大洲藩指定の船宿として営業していたそうです

2階からは瀬戸内海の穏やかで美しい海が望めます。大崎下島にある大長の名産であるレモンを使ったメニューが特徴です。週末のみの営業でとても賑わうそうです

レモンぜんざいトースト 焼いた厚切りトーストにバニラアイスをトッピングし、レモンの皮を擦りおろしたぜんざいをかけて食べます。レモンの香りがする爽やかな一品です

JR西日本おとなびのCMで初めて瀬戸内海にこんなところがあるんだと知った御手洗は、小さな集落ですが次から次へと見どころが現れ一気に回ってしまいました。築140年のなまこ壁の屋敷や江戸の船宿、お茶屋や町屋などの数々の史跡に当時の面影がしのばれました。案内マップには足長小学生以外にも面白い見どころがたくさんあります。乙女座の上にある飾りが乙女の涙に見える、少年の顔に見える戸、くの字の路地、家のバルコニーがモアイ像に見えるなどなどのおもしろウオッチングも楽しかったです。新型コロナの影響で外出を控えていたのですが、昔懐かしい風景に出会い幼い頃の友を思い浮かべ、今何してるんだろう、元気でいるだろうか、なんて少し感傷的になりました。迷ったのですが思い切って出かけてよかったです  (2020年3月9日)