上下町の白壁通り

広島県の府中市にある 上下町 は、かつて石見銀山からの銀の集積中継地であったため、幕府直轄の天領として栄え、備後・備中500万石を支配する代官所が置かれ、いち早く中央の文化が伝わった歴史ある町で、当時をしのばせる土蔵や町家が並び、白壁やなまこ壁、格子窓など歴史的景観がロマンを誘い、昔の面影をしのぶことができます

JR西日本、福塩線で最も標高の高い駅になる 上下駅 駅より徒歩3分ほどで上下商店街(白壁の道)に行けます

上下町商工会館(旧郡役所跡) 国登録有形文化財の建物で昭和初期に建てらた洋風建築



商店街通りを逸れると裏路地へと続く細い小路があり、旧家の長さがよく分かり、暮らしぶりなどもうかがえます

白壁の町並みの中にあって、煉瓦造りの外壁にツタが絡まるお洒落な建物が目を引きます。昔は郵便局だった 上下画廊 。店内ではひな人形の展示や美術品、骨董品なども販売しカフェも併設

上下出身の作家「岡田美知代」の生家を改築した  上下歴史文化資料館 。田山花袋の小説「蒲団」のヒロインのモデルとなった岡田美千代さんの紹介や上下の歴史などを展示

観光案内所(府中市観光協会上下支部) 観光情報や資料、上下の歴史を学び、発信する所

観光案内所前にある可愛い建物は 上下キリスト教会 。明治時代当時の財閥角倉家の蔵として建築されたもので、戦後キリスト教会として利用されてきました。上部には当時の見晴らし台が残っています

「上下キリスト教会」に併設した 旧角倉邸庭園 。江戸時代に植樹した松が今でも残る日本庭園。普段は施錠されているのですが、見学したい方は(観光案内所まで連絡ください)の張り紙を見て開門していただきました

徳川幕府の時代、直轄地の金融業者だった 角倉家の修復された中門 。中門の前には外門があり、1824年の建築で楼門となっており2階には見張り小屋があり、当時の威容を偲ばせます

旧警察署 は明治時代の建物で、見張櫓も当時のまま残っています

上下川に架かる 翁橋 は、昭和初期の親柱が残っています。橋の先には上下町らしい雰囲気の町並みが続いています。少し先には集会や芝居、映画の上演などが行われた劇場「翁座」があります



翁座 は、大正時代の建築で中国地で現存している最古の木造芝居小屋です。国の登録有形文化財に登録された建物は木造2階建てで、1階は、回り舞台、花道、楽屋などがあります。2階は桟敷や映写室がありますが非公開です。入館料:200円ですが、土、日曜日、祝日のみの公開です

春には商店などの軒先にひな人形が飾られる「天領上下ひなまつり」が開催されています。上下町の散策後は、安楽寺の庭園に龍の巨大天井絵が完成したとの情報をいただいたので立ち寄って見ます



安楽寺 かっては上下町の町花でもあるあやめが咲き乱れる『あやめ寺』として有名な仏閣だったそうです

中国風の庭園があり、アヤメが咲いていたであろう池の中ほどの小山にミニチュアの五重塔が建ち、2羽の鶴のオブジェが。奥には六角形の東屋が建つ

六角堂の天井一面に描かれた巨大な龍の絵は、今にも舞い下りてきそうでとても迫力があります (2023年6月18日)