第11回 私の針仕事展
  • 第11回 針仕事2020年9月15日

    そごう広島店では9月8日(火)~15日(火);大小さまざまな布を縫い合わせてつくるパッチワークキルトなどの作品を集めた針仕事展が開催されました。畳を縁取る畳縁(たたみべり)を使った作品の展示や生地や作品を購入できるキルトマーケットも開催されていました

「私の針仕事展の主役、パッチワークキルト。巧みな技法が存分に生かされた30人のトップキルターさんの作品が並ぶ会場には最終日(15日)に訪れました。観賞する人も少なくゆっくりと素晴らしい作品を楽しめました

パッチワークキルト〈日本の美、再発見〉

吉田 サチ子「日本の布の色遊び‐短冊」
会場に入るとひときわ目を引く作品。捨てられない布と着物をより鮮やかにしてくれた模様などを縫い集め日本の美を表現した作品は圧巻の一枚です

宮谷 真知子「ジャポニズム}
日本の伝統的なデザインをミシン刺繍のモチーフを使い仕上げた和モダンなクレイジーキルト。中央の見返り美人インパクトがあります

岡本 洋子「紅・白」
一口に紅といってもくれない、真っ赤、朱色などがあり、白も真っ白、生成りとそれぞれの素材の違いがもつ風合いも変化してくる。そんな日本独自の色の世界を表した作品。モダンで可愛く繊細で美しい模様に魅了されました

園部 真知子「彩り豊かで美しい花」
春から夏にかけて咲く花々を古い和布の花柄で表現

  • 畑野 昭子「Cosmos#-風」
    こだわりの布素材にペイントをし、ミシンキルトを施したモダンで大胆なシックな一枚

  • 上栗 敦子「福物づくし」
    おめでたい図柄を一枚ずつアップリッケ。中の一枚「宝船」のパーツのみアップしました

  • 齋藤 泰子「華・花・はな」

  • 服部 まゆみ「こもれび」

田中 由美子「YOYO」
日本の美しい古布や絞り、兵児帯、華やかなレース、ベルベットを使いヨーヨーキルトをつくり仕上げた作品。和モダンで可愛い


(上)石浪 崇子「春華」 (下)島野 徳子「花唐草」
岩国在住のキルト作家で錦帯橋周辺の美しい桜を表現。日本人に長く愛された唐草模様と墨色を合わせた作品はシンプルなデザインですに墨色が映えます。メッシュワークの透かしがお洒落です

こうの 早苗「モダンローズ」
輝くようなきめ細やかさが魅力の日本製シルクを使って白いパレリーナたちが踊っているのを連想して作りあげたそうで、軽やかに舞っている白いバラが優雅です

三浦 百恵「ようこそ!!」
モネの終の住処となったシヴェルニーの庭にある母屋に庭の手入れをしていたモネがようこそと笑顔で出迎えてくれる。そんなイメージで作られた作品だそうです

片桐 好子「UTAFU」
水を張った田んぼから聞こえてくるカエルたちの鳴き声は生きる喜びにあふれている様を表現。元気で楽しそうなカエル達の表情がとても可愛くほほえましい

 作家・池晶子の世界
伝統の古着や古裂に刺し子を施した大胆でカラフルな作品。鯉のぼりはパワフルで今にも泳ぎだしそうで元気をもらえました

 特別展示 〈素晴らしき畳縁の世界〉
日本の生活に欠かせない畳。畳を縁取る「畳縁」を使って作った工夫を凝らした作品の数々

 キルトジャパンコンテスト2019作品の数々

ミニタペストリ‐グランプリ入賞作品「Vitamin Field」&銀賞作品の「我が家の庭で」

30人のトップキルターさん達の力強い作品の数々にすっかり感動しました。今回は和布を中心にした作品が多く昨年とは違った雰囲気でとても良かったと思いました。新型コロナの影響なのか出展数は少なかったようですが、充実した大作ばかりで今後の作品作りの参考になりました。最終日は混雑しているだろうと思い出かけたのですがことのほか少なく時間のたつのも忘れ鑑賞できました


帰りは少し遠回りをしてかえります。広島南区にある広島最大の被爆建物「廣島陸軍被服支廠」。被服支廠は、大日本帝国陸軍の被服廠として建設され軍服や軍帽など、兵隊が身に付ける小物や付属品等を生産、修理、保管、供給する施設として使用され、今も大きな赤レンガ倉庫が4棟残っています。大地震で倒壊する恐れがあるとして解体するか一部建物を保存するかで議論がされています。外観はあまり損壊はないように見えましたが、建物の中は進入禁止なのでどのような状態か分かりません。原爆投下後には臨時救護所として使われていたそうです