広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」にある生口島・瀬戸田にある浄土真宗本願寺派の仏教寺院で、大阪の元実業家が、母親の故郷の尾道市瀬戸田で、菩提追悼のために母親の菩提寺として30年余りの歳月をかけ建立した寺院で「母の寺」とも呼ばれています。また日本各地の古建築を模して建てられた堂塔が並びその煌びやかさから「西の日光」とも言われています。1936年から伽藍の建立が始められた新しい寺院で、絢爛豪華で鮮やかな寺院です
山門 京都御所・紫宸殿の御門と同じ様式で、白色を基調に扉にはさまざまな絵柄の装飾を施したカラフルな山門。奥に見えるのが中門で奈良法隆寺の西院伽藍(楼門)を模して作られています
中門を出たところに受付がありそこで入観料を払います。大人 1,400円、大学生 1,000円、高校生 800円、中学生以下無料となっています。正面からの見ると中央に五重塔、その両側に法宝蔵(右)、左には憎宝蔵、奥には多宝堂も見えます.並んだ鉢には、夏になると蓮の花が咲きます
五重塔 奈良・室生寺を原型としている。寺院内には多種多様な堂塔が並び、15棟が登録有形文化財になっています
孝養門 日光東照宮陽明門を模した孝養門は原寸大で再現したしたもので10年の歳月をかけて作られたもので、耕三寺の顔といわれ、お釈迦さまや龍などがびっしりと彫りこまれ、色鮮やかで絢爛豪華でとても華やかです
彫刻、金具、彩色などで仏教様式を取り入れ昭和を代表する彫刻家の作品で飾られた極彩色の門
孝養門より五重塔を望む。茶道美術品を展示してある僧宝堂(左) 近代日本画を展示している法宝堂(右)
至心殿の朱塗りの社殿に赤いモミジが映えます
本堂 孝養門に向かい合うように建っているのが、本堂(阿弥陀堂)です。宇治の平等院鳳凰堂をモデルにしたもので、大屋根の両端に銀色の鳳凰が羽ばたいていて約9年の歳月をかけて完成したそうです。本堂前には総大理石造りの大礼壇があり、周りの豪には初夏になると蓮の花が咲きます
多宝堂 紫式部ゆかりの滋賀県石山寺の塔をもとにした多宝堂は本堂西方に建ち、壮麗な外観をしています
千仏洞 多宝堂の下に洞窟への入り口があります。地下約15m、 全長350mの地下霊場になっていて仏教世界の「地獄観」と「極楽観」を表現しています。洞内は富士山と浅間山から運んだ溶岩が積み上げてあり千体にも及ぶ石造りの仏像が置かれ、滝も流れています
薄暗い隧道には地獄、極楽の鏝絵のようなものが何枚か並んでいます
救世観音大尊像 千仏洞出口にあり、総高約15メートルの大露仏である救世観音大尊像は、奈良県法隆寺の夢殿のご本尊、秘仏救世観音を手本としたもので、洞窟の出口から仰ぎ見る感じで、とてもオーラを感じ
八角圓堂 本堂左方に建つ。奈良・法隆寺の夢殿が原型で2分の1に縮小した建物
茶祖堂 1943(昭和18)年築。慈照寺銀閣を模したもので内外部とも銀色の塗装を多く用いた独特の建築
本堂の裏手に広がる 未来心の丘 は約5000平方メートルの敷地に、約3000トンのイタリア産の大理石で作られ、周囲の景色の形や色、風雨、光といったあらゆる自然との調和が表現された庭園。彫刻家の杭谷一東さん制作でギリシャのサントリーニ島にも似た風景なのだそうですです
西に沈む太陽に手を合わせる形で作られたオブジェで一番高いところにある「光明の塔」。未来心の丘のシンボル的で存在で光(希望)を表現したそうです
眩しいくらい白亜。の世界が広がっています。丘の上から瀬戸田の町や瀬戸内海を見渡せます。 白い建物はカフェクオーレ
古くからあった寺院ではなく実業家(鉄鋼業)だった金本耕三氏が母の死後、菩提を弔うため自らも出家して僧侶となり、瀬戸田の地に長い年月をかけて建設をした耕三寺は、歴史的建造物を模して造られたものなのですが装飾が細部にまでなされ仏教寺院というよりは芸術作品を見ているようですばらしく、見応えたっぷりで感動しました。豪華絢爛で華やかな建物ばかりなのですが、母を想う慈愛に満ちた愛情を感じとることができました
平山郁夫美術館 日本画の巨匠で耕三寺近くに美術館があります。生い立ちや貴重な少年時代の絵画から、晩年の大作のほか、スケッチや下絵等の展示しています (2019年11月23日)