国宝松江城と城山公園界隈  (松江市)

国宝松江城と城山公園界隈

島根県松江市殿町に築かれた江戸時代の城で松江市のシンボルである松江城は、5層6階の天守閣と石垣を残し、桃山初期の城郭様式を残しています。全国で現存する12天守の中の一つで天守閣は国の重要文化財に指定され、別名千鳥城とも呼ばれています。松江城周辺の観光名所を巡ってみました

松江城二ノ丸に建つ明治建築の洋館、 興雲閣 は、明治36年に明治天皇行幸時の御宿所として建設されたもので島根県の有形文化財に指定されています

興雲閣横にある 松江神社 は松江藩の初代藩主の松平直政を祭神に祀っています


松江城のみどころの一つでもある石垣は、築城時に有名な石積み職人によって築かれ、崩れにくい石積み手法が使われ今も多く残っています

一の門。一の門を入ると本丸となります

千鳥が羽を広げたような曲線の屋根を「入母屋破風」と言い、それが東西南北の四方に乗っていることから別名「千鳥城」と呼ばれるにようになったと言われています。築城から400年経ち壊れたり燃えたりすることなく当時のままの姿を残していて外観の美しい大きな城です

地階にある大きな井戸と古い鯱。松江城は木彫り銅板張りの鯱が2頭、天守の頂上に鎮座してしていますが日本現存の木造の鯱の中では日本一の大きさだそうです

石垣に近づく敵を鉄砲や石などで攻撃する石落し、鉄砲や矢を放つために設けた狭間など攻め込まれても戦えるような仕掛けや工夫が至るところにされています

天守を支える柱には、周囲を板で包んだものがあります。この板は「包板(つつみいた)」と呼ばれ、鎹(かすがい)や鉄輪(かなわ)で留めて柱を補強しています

天守最上階は天狗の間と呼ばれ、室内には壁がなく手すりで囲まれているため、松江市内を360度見渡すことができます

城山公園の敷地内の奥にある松江城の守り 神城山稲荷神社

松江城下のお堀端を小舟に乗って巡る 堀川巡り 。約50分かけて周遊する遊覧船から時折船頭さんの小唄が聞こえてきます。城山公園の森や水辺の鳥など豊かな自然を船にゆられながら城下町をゆったり味わうことができます


明治中期に石造アーチ橋に架け替えられ使われてきましたが、松江城の入り口にふさわしい橋として、史料をもとに木橋として架け替えられた北総門橋。堀川には17もの個性ある橋がかかっているそうです

明治時代になると、政府が発令した「廃城令」によって全国各地にあったお城のほとんどは取り壊されることになりました。松江城もその対象で、明治4年に廃城が決まっていたそうですが、銅山の採掘によって財を成した勝部親子は私財を投じて、松江城を買い戻しましたとのことです。黒と白のコントラストが美しい重厚感のあるお城です  (2021年11月16日)