足立美術館  (安来市)

足立美術館

島根県安来市にあり、横山大観をはじめとする近代日本画や北大路魯山人の陶芸などを中心に総数約2000点を所蔵しているほか、5万坪の日本庭園は18年連続で庭園ランキング日本一に選ばれています。枯山水庭、苔庭、池庭など目の前に広がる優雅な風情は訪れる人を魅了します

正面玄関と 歓迎の庭


足立美術館は昭和45年、地元安来出身の実業家、足立全康氏によって開館されました。庭園内を散策することはできません。窓越しでも美しさは充分伝わります


杉苔を主体にした京風の優雅な庭園。ゆるやかな曲線を描いた苔の緑と白い砂とのコントラストが美しく紅葉の赤が彩りを添えている 苔庭

枯山水庭 自然と調和した庭が美しく足立美術館の中心にある主庭。中央の立石を険しい山にたとえ、そこから流れる滝水が大河となる雄大な山水の趣を表しているそうです。苔もみずみずしく白砂に枯れ葉1枚落ちていない手入れはさすがです


庭園の奥には落差15mの人工の滝「亀鶴の滝」が見えます。この滝は横山大観の「那智乃瀧」という作品をイメージし、作られたそうです。足立全康が全国から集め石の中でも縞模様や凹凸とした表面が特徴の鳥取県の佐治石は、日本三銘石のひとつだそうです

窓枠がそのまま額縁になっている 生の額絵 です。木々や石がバランスよく配置され、まるで絵画を見ているかのような錯覚になります


正面には煎茶室「清風」があり、大小の木々や石組と相まって格調高い 池庭 には、沢山の鯉が泳ぎ、やすらぎを与えてくれます

日々刻々と変化する庭園を絵画に見立てて鑑賞できるよう、「生の額絵」や「生の掛軸」などの楽しい仕掛けが随所にあります



横山大観の絵画 、「白沙青松」をイメージした白砂と松が美しい 白砂青松庭 。白い砂と大小の松のコントラストが印象的で美しく、奥には滝が流れ落ちています

足立氏の銅像 「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、足立全康は91歳で亡くなるまで庭園に深い愛情と情熱を注ぎ続けたそうです。一木一草にいたるまでこだわり抜いた日本一の庭園はそれぞれに趣を変え心を和ませてくれます  (2021年11月16日)