周南市の鹿野は、周南市の北部、島根県との県境に位置した山あいにあり、県内で最長の錦川の源流をもち、さわやかな清流と豊かな緑に囲まれた静かな所です。江戸時代には萩本藩に属し、山代からの萩 往還の拠点として、又この地域の交易の中心、地方行政の中心として、重要な役割を果たしていたそうです...
漢陽寺山門 臨済宗南禅寺派 の寺院で中国三十三観音霊場第十五番札所にあたり、枯山遺水式の優雅な名園「曲水の庭」で知られている古寺で、この庭の様式は、奈良、平安の昔、絵巻物によって伝えられるのみで、再現されたものはこの庭だけ。約600年もの歴史を もつ由緒ある寺院。 右上:山門前の庭・玉澗式枯山水 右下:鏡池
法堂
左側は本堂で傍のつき辺りに受付があり、庭の見学を申し出ます(見学料 \300)
曲水庭 本堂前庭にあり平安時代様式。当時の貴族が詞歌を作り、曲水に盃を浮かべて遊んだという優雅な庭
本堂裏山の潮音堂から流れ出る水は境内の庭園を形成する水流となり、清流道り沿いへと流れる。その水を利用した禅庭としためずらしい曲水庭になっているそうです。残雪が一層趣を添えています
お寺を囲むように境内には水路が通り、清らかに澄んだ水が途切なく流れています。その水音が心地いい!
右:潮音洞 本堂西側の裏山にトンネルを掘ってこの地域の繁栄のため錦川上流の水を引いたもので、干天の時も地域全体を潤してきたそうです。山口県指定文化財
地蔵遊化の庭 中庭で平安時代様式 地蔵菩薩が子供と遊戯する様を平安様式の石組によって表現した庭
九山八海の庭 書院東部・鎌倉時代様式 鎌倉時代にみられる立石を中心に組んだ豪快な庭園。各時代の様式の庭園が一つの寺院揃っているのは漢陽寺のみで、いながらにして日本庭園の歴史が一覧できる貴重な庭園
漢陽寺から鹿野総合支所までは、潮音洞からの清流が水路に引き込まれ、その通りには、水車小屋や寺院が建ち並びとても風情があり、清流通りと名付けられています
二所山田神社 境内には県内一と言われる杉の巨木群や、県内最大級のモミの木、大イチョウの木があります
先々代二所山田神社の宮司さんが女性の地位向上のため、『敬神婦人会』を作り、雑誌「女子道」を発刊。右:池のある公園(現在は修理中)
本生山龍雲寺 臨済宗南禅寺で寺院内には龍をテーマにした龍頭苑の庭のほか、沙羅の木や菩提樹、石桶花、胡蝶侘助の古木等珍しい樹木があります
しだれ桜(禅正糸桜)高さ8mは県内一なのだそうです。この桜は龍雲寺傍にあります
鹿野総合支所の敷地の中に建つ岩崎想左衛門重友(漢陽寺の裏山にトンネル約89mを掘って、870mの水路を作り、錦川上流の水を引いた人)の像
鹿野稲荷神社 朱塗りの巨大な鳥居が目を引きます
ま心 中国自動車道鹿野ICの近くにある仕出し、懐石料理のお店。黒塗りのシックな外観に惹かれて昼食を頂くことに!
一休膳 \1,500 前菜、生ハムのサラダ、蓮根万十、ホタテとエビの揚げもの、混ぜ飯、汁もの、香のもの、自家製のわらび餅&栗きんとん。蓮根まんじゅうは、すりおろしたレンコンを揚げ、餡をかけていますがモチモチ食感で美味でした。 左:蕎麦定食 \950
帰りは少し足を延ばして国内外から喝采を浴びる純米大吟醸酒「獺祭」の蔵元”旭酒造”に寄り道。日本酒醸造に欠かせない杜氏がいない酒造りをしています
直売所では酒粕を原料にした石鹸や、獺祭ケーキなども販売。新社屋を建設中ですが、蔵の見学も随時受け付けているそうです
周南市鹿野は綺麗な水と自然が残されたどこか懐かしいそんな高原の町でした。恵まれた自然を生かしたオートキャンプ場、伝統ある祭り、数々の文化遺産があるようです (2015年2月14日)